2021年01月

2月13日に小笠原和彦さん講演会をおこないます

NAZENいけぶくろ2・13講演会チラシ表

2・13講演会
「福島原発事故-聞き書き調査による健康被害の実態」

講師:小笠原和彦さん
(『東電被曝二〇二〇・黙示録』著者)

2月13日(土)14時~(開場13時半)

としま区民センター 会議室504

主催:NAZENいけぶくろ

東電被曝2020・黙示録
『東電被曝 二〇二〇・黙示録』小笠原 和彦 (著)

3・11福島第一原発事故から10年目がやってきます。お薦めしたい本が小笠原和彦著、風媒社刊『東電被曝二〇二〇・黙示録』です。東葛地域、福島県の飯舘村、大熊町、浪江町、福島市、郡山市などの居住者への聞き取りです。
 まず東葛地域で3・11から5年で3人の小児甲状腺がんが発見されたというところから始まります。検査総数は1832人。福島の県民健康調査のようにやればもっと多くの発症が確認されるのではないかと言われています。
 また南相馬市立総合病院の2010〜17年の患者数の推移の一覧表が掲載されていますが、甲状腺がんの患者数は29倍、白血病は10・8倍など驚くべき実相が明らかになっています。
 心筋梗塞(こうそく)や肺がんなど他の疾患も軒並み4倍等々。今一つ、稽留(けいりゅう)流産について書かれています。いわゆる奇形児に関わることです。その検査の結果で奇形児と判明した場合、流産のような形で対処。医師はカルテには記録しないそうです。証拠が残るからです。これはかなりの数にのぼるようです。また県立医大病院の退職看護師の話として検査でもわからず出産して奇形がみられる場合、これも闇に葬る、そして箝口(かんこう)令がしかれるとの話も載っています。
 他にもメディアが全く報道しないことがたくさん明らかになっています。この本は聞き書き方式のためデータに基づいて展開されているものは少ない。その限りで悔しい思いもしますが、皆さん、是非読んでクチコミで周りの人たちに伝えて欲しいと思います。来る3・11福島に向かって怒りも新たに進みましょう。(NAZENいけぶくろ 櫛渕秀人)

NAZENいけぶくろ2・13講演会チラシ裏

12・13ふくしま共同診療所報告会を開催

fda42e7f-s
10年目の3・11が目前に迫っています。
NAZEN東京はこれを見据えて「ふくしま共同診療所報告会」を都内で12月13日に開催しました。
具体的テーマは「フクシマの健康被害と汚染水」問題です。講師にはふくしま診療所の杉井医師をお迎えして講演をしていただきました。杉井氏はパワーポイントで映像を説明しながら50分に渡り熱弁を振るわれました。
 帰還困難区域とされた地域が20msy以上という福島基準が設定されたこと、そして今問題とされているのは①小児甲状腺ガンの多発②汚染水の海洋放出③中間貯蔵施設の永久貯蔵施設化④福島第一の廃炉作業と原発労働者の被曝⑤帰還政策と補償打ちきり、と問題点を明らかにされました。このうち今回は主に①と②について詳しく展開されました。

 まず原発事故による健康被害よ象徴的疾患である小児甲状腺ガンの多発について、福島県や県民健康調査検討委員会は「数十倍の発症」という事実は認めた。実際福島においての小児甲状腺ガン発症の推移をみると13年~15年で倍増している。しかし検討委員会は過剰診断の可能性があるなどといい、放射線との因果関係を認めようとはしない。発症には明白に地域差もあると映しだされた画面をみながら説明がなされる。これについても検討委員会は「地域差はない」と強弁していると弾劾。県と検討委員会はコロナで受診率(検診率)が落ちておることも利用しながら検診の段階的縮小に進んでいる。検診のメリットとデメリットなどといいながら、見つけなくても良いガンを見つけているなどとデメリットを強調し検診を受けさせない方向に誘導。小児甲状腺ガンがなぜこんなにも問題となっているのか。それはチェルノブイリの経験があるからです。福島では小児甲状腺ガン以外のガンも多発していると「週刊金曜日」の記事を映し出しながら説明がなされる。これから次々とこうした 放射線由来の健康被害が起こります、それが今見え始めている状態ですとも。福島に伝承館という施設ができ、そこで教員研修として「放射能は安全」という教育が始まっている、と新たな動きにも触れられました。

 次いで②の汚染水の海洋放出問題について福島第一のタンク群の映像を見ながら話を進行。トリチウムはアルプスでは吸湿できずそのまま海に放出せれていくこと。トリチウムがとれないだけでなく他の物質も入っていると思われる。1号機が10年たってもデプリの底の部分がどうなっているかもわからない。これから調べるという。デプリが取り出せない以上これからずっと汚染水を流し続けるということ。トリチウム以外にも52核種、70%基準こえがある。薄めれば良いということではない。総量が問題なのだ。政府は健康被害は報告されていないというが、「被害はない」といは言わない。そもそも政府や県はかつて県民や関係者の理解がなければ流さないと約束していた。タンクの敷地は本当に足りないのか。いや敷地はあるのだ。福島県民の世論調査では海洋放出反対は57%に達していると批判される。そして帰還強制政策について、20msyで家に帰れお誰が決めたのか、これで良いという医師など誰もいないはずだと政府を弾劾。

「黒い雨」裁判の勝訴に触れ、初めて内部被曝を認めた。70数年たってようやくこうなったと裁判の意義を語り、これでフクシマとヒロシマの問題ががっちりとつながった。福島の健康被害はまだ始まったばかり。これから数十年も続きもっと拡大していく。ヒロシマ、ナガサキに学び記録していくことも重要だと。

纏めとして①ガンなどの疾患は多発していく②調査をちゃんとやらせる③帰還強制政策をとりやめさせるの3点が提起されました。この集会には74名参加。初参加者の姿も多かった。フリートークやその後の懇親会ではこの方達から保養に関する質問や保養活動体験について多くのことが語られました。本集会で改めて感じたことは「10年でフクシマを終わらせる」という菅政権の政治に対し、健康被害に拘り明らかにしていく闘いが極めて重要だということです。そのためにもふくしま共同診療所の存在と活動が、今までにも増して大きな意味を持ってきていること。そして「避難、保養、医療」の原則に立ってふくしま診療所をしっかり支え、核と原発に対する闘いをもっと大きく広げていくことの大切さです。原発再稼働、新規建設に舵を切った菅政権と徹底対決し、10年目の3-11を共に闘いましょう。

NAZENいけぶくろ 櫛渕秀人
自己紹介
NAZEN(「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」の略称)の一環として、池袋駅を中心にした都内のエリアで反原発・反被ばくの活動をしています。
原発事故は終わっていません。「公式」発表でも230人を超える小児甲状腺がんを「放射線の影響ではない」と居直る原子力推進勢力の大ウソ。「放射線は安全だ」と言う副読本を学校で使うことなど絶対にダメ。原発も核もいらないという3・11の原点に返り、福島の怒りをともに。

連絡先:〒171-0021豊島区西池袋5-13-10-603 NAZENいけぶくろ
電話:03-6914-0487
メール:nazennaike-311@yahoo.co.jp
ツイッター:@nazenikebukuro

◆カンパ振込先
ゆうちょ銀行 総合口座
【店名】〇一八(ゼロイチハチ)
【口座番号】8949703
【口座名】NAZENいけぶくろ
ギャラリー
  • 上岡直見さん講演会、「原子力防災の虚構」を暴く内容で大好評
  • 上岡直見さん講演会、「原子力防災の虚構」を暴く内容で大好評
  • 上岡直見さん講演会、「原子力防災の虚構」を暴く内容で大好評
  • 能登大震災から何を学ぶか~原子力防災政策の破綻 2.17上岡 直見さん 講演会
  • 能登大震災から何を学ぶか~原子力防災政策の破綻 2.17上岡 直見さん 講演会
  • 能登大震災から何を学ぶか~原子力防災政策の破綻 2.17上岡 直見さん 講演会
  • 能登大震災から何を学ぶか~原子力防災政策の破綻 2.17上岡 直見さん 講演会
  • 福島原発汚染水の海洋投棄を許さない!山崎久隆さん講演会行いました 3・11反原発福島行動へ
  • 福島原発汚染水の海洋投棄を許さない!山崎久隆さん講演会行いました 3・11反原発福島行動へ
ツイッター